どうももりぞうです。
今日はネットサーフィンをしていたら発見したホイールブランドがHUNTを超えるコスパを秘めていたのでご紹介します。
そのブランドの名前はイギリスの新興メーカーのScribeです。最近の優秀な新興ブランドはイギリスが多い気がします。
記事のコンテンツとしては下記のような感じです。
・Scribeってどんなメーカ?
・Scribeホイールの特徴
・僕が選ぶScribeホイール
・hunt VS scribe wide+シリーズ
Scribeってどんなメーカ?
Scribeはイギリスのメーカーです。
Scribeの創始者であるアラングラハムはイギリスの有数なコスパブランドであるCRCとhuntで働いていた経歴を持ちます。
CRCでは5年働き、primeホイールやNukeproofホイール、primeコンポーネントの開発に携わっています。
huntでは、1年働き、ホイール開発に携わっています。
アラングラハムはhuntを退職し2019年にScribeを設立しています。
そのためScribeは新進気鋭の新ブランドと言えるでしょう。
Scribeのモットーは、熱心な自転車乗りのために妥協なしで製品を開発し革新的な製品を市場に投入することです。
実際にScribeの製品を調べてみると上のモットーを貫いているように感じます。
では実際にScribeのホイールを見ていきます。
Scribeホイールの特徴
Scribeのホイールには大きな特徴としてすべてのホイールでオリジナルのハブを使用している点があげられます。
オリジナルのハブのメリットはホイール設計の自由度が上がり、理想のホイールが作りやすくなることです。
Scribeのハブの構造はdt swiss rachet expに似た構造をしています。
下の画像の右二つがScribeのハブ、左がrachet expになります。
こうして比べてみると良く似ていることが分かります。
大まかな違いとしてはrachet expハブはバネが2つScribeのハブはバネが1つという点でしょうか。
驚くべき点としては、rachet expハブが発表される前にこの構造のハブを作成していることです。dt swissのrachetハブの特許が切れることを見越してrachetハブの構造を自社でアップデートし組み上げたハブがScribeハブになります。そのため当然のようにrachet expハブと似ているのです。構造としては欠点も見当たりませんし、ハブとしての質は最高峰と言えるでしょう。
また、Scribeのホイールはスポークニップルはすべて安心のSapimのものを使用していることも一つのポイントです。Sapimの製品は品質が良い分金額が高くSapimのスポークを使用しているホイールは金額が高くなりがちです。後述しますがScribeのホイールは安いです(他メーカーと比べると)。
Scribeのホイールは自社ハブと自社リムを使っていることによって2:1組を実現しています。2:1組は多くの有名メーカーが採用しているホイールの組み方になります。例としてはFulcrum、SHIMANO、ROVALになります。一般的に2:1組をすることでスポークテンションの左右差の是正、ホイールの剛性、強度を高めることが出来ます。
つまり、強度と剛性に優れたバランスの良いホイールを作ることが出来るということです。
整理すると、Scribeのホイールの特徴は自社ハブを用いた2:1組ホイールを提供していることです。
僕が選ぶScribeホイール
Scribeが作成しているホイールラインナップの中で特に高評価を受けているホイールにwide+というシリーズがあります。このwide+シリーズはリム外幅が30㎜、リム内幅が21mmあるシリーズになります。つまり、25㎜タイヤもしくは28㎜タイヤを使用した場合にZIPPの105%ルールを満たすように作成されています。
wide+ホイールシリーズには、32mm、42㎜、50㎜、60㎜のラインナップがあります。すべてのシリーズでリム外幅が30㎜、リム内幅が21mmあります。どのシリーズを選んでもZIPPの105%ルールを満たすことが出来ます。
僕が興味を持ったのは42mm、50㎜のホイールです。
それぞれのスペックについては以下の通りになります。
Aero Wide+ 42 | Aero Wide+ 50 | |
リムハイト | 42mm | 50mm |
重量 | 1438g | 1448g |
リム外幅 | 30mm(リムヘッド24mm) | 30mm(リムヘッド28mm) |
リム内幅 | 21mm | 21mm |
スポーク | Sapim Cx Ray | Sapim Cx Ray |
ハブ | Scribeオリジナルハブ | Scribeオリジナルハブ |
スペックとしての違いは、重量とリムヘッドの形状になります。
下の画像は左がWide+42、右がWide+50になります。Wide+42ではリムヘッドが24mm、Wide+50ではリムヘッドが28㎜になります。重量はWide+42が1438g、Wide+50が1448gになります。
両ホイール共にスポークパターンはフロント、リア共に2:1組になります。
一般的に考えると重量差が10gしかなくリムヘッドが28㎜あるWide+50を選ぶのが正しいように思えます。リムヘッドとタイヤの実測幅の差が少なければ少ないほど空力的には良くなると考えられていることからもWide+50が最適解であることは疑う余地がないように思えます。
しかし、リムハイトが8㎜も違うのに重量差が10gしかないというのはにわかに信じられません。海外のインプレ記事を見るとWide+42の実測重量は1420g(リムテープ込み)、Wide+50の実測重量は1463g(リムテープ込み)です。実測重量差は43gになります。このくらいだと大体合っているのかなっと思います。ハブ、スポークが同様の品であることから重量差は純粋にリム重量の差のみと考えられます。
リム重量が軽いと漕ぎ出しが軽くなりますから片側20gと考えると割と馬鹿にはできません。リムハイトが50㎜あると横風にも不安が出てきますので、個人的にはWide+42が最適解であると思います。
Wide+42の懸念としては、リムヘッドが24㎜と比較的狭い点です。Scribeが行った空力研究によるとリムヘッドが狭くてもZIPPが提唱する105%ルールには影響がないように見えます。
下の画像は、Wide+42で行った試験の画像です。空気の剥離がかなり遅いことが分かるので空力はかなり良さそうです。
重量、空力のことから考えると僕はWide+42がいいと思います。
hunt VS scribe wide+シリーズ
ここでは、huntのホイールとScribeのホイールを比較してみていこうと思います。
僕が欲しいと思ったHUNT 44 UD CARBON SPOKE DISC WHEELSETとAero Wide+ 42を比較し、主観でどちらが優れているか見たいと思います。
HUNT 44 UD CARBON SPOKE DISC | Scribe Aero Wide+ 42 | |
リムハイト | 44mm | 42mm |
リム外幅 | 29mm | 30mm |
リム内幅 | 20mm | 21mm |
重量 | 1398g | 1438g |
スポーク | HUNTオリジナルUDスポーク | Sapim Cx Ray |
ハブ | BitexHub | Scibeオリジナルハブ |
スポークパターン | フロント:ロータ側タンジェント組、反ロータ側ラジアル リア:両側タンジェント組 |
フロントリア共に2:1組 |
スポーク本数 | フロント18本
リア20本 |
フロント21本
リア24本 |
タイヤタイプ | チューブレス/クリンチャー | チューブレス/クリンチャー |
金額 | 170890円 | 111900円 |
上の表が大まかなスペックの比較になります。リムハイトはhuntの方が高く、リム内幅、リム外幅はScribeのホイールの方が広いです。重量はhuntの方が40gほど軽いです。
huntはオリジナルのUDカーボンスポーク、ScribeはsapimCxRayです。
huntのハブはオリジナルハブっぽいですが、中身はbitexのハブを使用しています。
金額はhuntが今のレートで170890円、Scribeが111900円です。
huntの方が約60000円高い形になります。
大まかにまとめると上記のような形です。
ここからは、個人的な総評です。
重量差は40gです。ホイールの重量で最も重要なのはリム重量になります。全体の重量からリム重量を計算してみようと思います。
huntのスポークは2.7gです。カーボンスポークなので超軽量です。
Scribeのスポークは4.5gです。CxRayなので結構軽いです。
huntはスポークが全部で38本です。Scribeは45本です。
huntは38×2.7=102.6g、Scribeは4.5×45=202.5gです。
つまり、スポークの重量は、Scribeの方が99g重いことになります。
ハブ重量は両メーカーとも出していませんから、正しいことは分かりません。
huntに使われていると思われるBitexのハブはフロントリア合わせて310gほどですのでこれを参考値とします。
Scribeのハブと構造が似ているDtswiss rachet expハブの重量がフロントリア合わせて305gです。
流石にこれよりは重いと思うので320gとしましょう。
推測値ですが、両メーカーのリム以外の重量が何となく見えてきました。
huntのリム重量は1398-102.6-310=985.4g(2本)になります。
つまり一本あたりは、約492gです。
Scribeのリム重量は1438-202.5-320=915.5g(2本)になります。
つまり1本あたりは、約458gです。
リム重量は、1本あたり約35gScribeの方が軽いことになります。2本で約70gです。
純粋な重量で見るとhuntの方が軽量ですが、走りの軽快さに影響するリム重量を考えるとScribeの方が優秀と言えます。
次にメンテナンス性を考えてみます。
ホイールで最もやるメンテナンスは振れ取りだと思います。
huntのホイールはインターナルニップルのため、振れ取りはタイヤを外しリムテープをはがさないと行えません。また、huntのオリジナルカーボンスポークはhuntホームページのリペアパーツにも記載がなく入手方法が分からないというデメリットもあります。
Scribeのホイールは通常のアウターニップルのため特に気にすることなく触れ取りを行うことが出来ます。また、ScribeのスポークはSapimCxRayなのでどこでも入手できます。
振れ取りという点に注目するとScribeの方が優れていると言わざる負えません。
最後に金額を見てみます。
huntは、現在のレート(記事執筆時)で170890円、Scribeは111900円です。
金額差は約60000円です。カーボンスポーク等を使っていることを考えるとhuntのホイールも十分安いですが、Scribeのホイールはそれをあっさり上回る安さです。
正直に申し上げると純粋なホイールとしての性能はScribeの圧勝と言えるでしょう。
Scribeのホイールをほめちぎるようなことばかり書きましたがScribeのホイールというかScribeというブランドにも何点か欠点があります。
1点目がUCI認証を受けていないということです。もちろん申請を出していないという訳ではなく申請は出していますが、COVID19の影響により認証が遅れているとScribeのホームページには記載されています。しかし、今現在UCI認証を受けれていないというのは事実ですので信頼性という観点ではHuntに劣っていると言えます。
Scribeのホイールは、強度試験やリムのX線検査、リムの耐熱試験などはしっかり行っていることも記しておきます。
2点目が、風洞実験を行えていないことです。Scribeのホイールはすべてが風洞実験を行えておらず、コンピューター解析や机上理論によって裏打ちされたホイールになっています。理論的な性能に疑う余地はありませんが風洞実験を行えていないため本当の空力性能は未知数です。
COVID19の影響で風洞実験は行えていませんでしたが、Scribeは今現在風洞実験の準備を進めており、時機に風洞実験の結果を交えた本当の性能が分かるでしょう。
3点目が、ホームページ及びサポート体制に関する情報の少なさです。Scribeは新興ブランドということもありホームページのコンテンツの充実度はあまり高くなくサポート体制についても不明瞭な点が多くあります。。huntはホームページのコンテンツや保証の探しやすさリペアパーツがすぐ買えることなど保証面ではScribeより優れています。
ただ、Scribeもサポートの情報が分かりづらいという点はあるもののサポートがしっかりしていないという訳ではなく、クラッシュリペアや生涯補償などはもちろんついています。
整理すると安価で他の人と被らず特に優れたホイールが欲しい人にはScribeがお勧めと言えます。
信頼性が高くある程度安価で優れたホイールが欲しい人にはhuntがお勧めと言えます。
最後に
huntとScribeの比較など机上の計算でScribeのホイールを評価してきました。当然ですが、机上であればいくらでも好きに評価できます。しかし、記事を読んでくださっている人が知りたいのは机上の性能などではなく血の通った実際に使用したインプレッションだと思うのです。
また、筆者がhuntのホイールのインプレをした記事は下記から読めます。


筆者は自分の欲望を抑えられなかったため実際にScribe Aero Wide+ 42-Dホイールを購入しました。届くのが4月末のため、実際のインプレをお届けできるのは、6月頃になるかと思いますが、お楽しみにしていただけたらと思います。
では、また。
コメント
私は話題に上がっていた50mmのホイールを買いました!近々届くので楽しみにしてます。
Scott Addict RC 30をほぼ完成車のままで乗っております。
次のホイールをHuntかScribeで迷っております。
road.cc等のレビューを見ますとどちらも悪くないなと思いますがコスパで一段Scribeかなと思っておりますが、こちらのレビューで最終判断しようと思っております笑
ぜひ血の通った素敵なレビューお待ちしております!!
なにか急かしているようで申し訳ありません。。。
Scribeのホイールのインプレ楽しみに待ってます!!!
scribeのインプレを楽しみにしてます。
[…] […]