【バイク組み立て】SRAM RED ETAP ブリーディング 後編

SRAM
この記事は約9分で読めます。

どうももりぞうです。

今回は、ディスク使用ロードバイクの最大の難関ともいえるフルード作業についてです。説明の前に1つ言っておきたいことがございます。SRAMのマニュアルとSRAMのYouTubeの整備動画は必ず見るようにしてください。他の整備作業は、ミスっていても命に関わるリスクは低いですが、ブレーキはミスっているとマジに死にます。

https://www.servicearchive.sram.com/sites/default/files/techdocs/95-5018-023-000_rev_d_etap_axs_hrd_hose_shortening_and_bleed_manual.pdf
上がブリーディングの動画とマニュアルです。
ADDICT RC組み立て編の他の記事はこちらです。時間があったら是非見てくださると嬉しいです。

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では、ブリーディングの説明です。

前回の記事でブレーキ本体とシフトレバーまでのオイルホースの接続までは、説明しました。なので今回は、実際にオイルを入れていく作業についてご説明します。

SRAMでは、ブリーディングに注射器のような道具を使います。仕組みとしては、レバーとブレーキ本体に注射器を接続。オイルを交互に行き来させながら真空を作り、オイルホース内のエアーを無くして、オイルホース内タンク内にオイルを満たす。って感じです。まず、前提条件としてSRAMで使うオイルはDot5.1オイルです。SHIMANOのミネラルオイルとは別物なので注意してください。何度か話しているような気もしますが、Dot5.1オイルは、攻撃性が高く、フレームの塗装にダメージが入る可能性が高いので、すぐ拭き取れるように水とアルコール、吹き上げ用のタオルを用意しましょう。

手順は、以下になります。
・注射器の組み立て
・注射器にオイル注入
・注射器内の空気の排除
・注射器の取付
・ブリーディング作業

細かく見ていこうと思います。

注射器の組み立てとオイル注入

注射器の組み立て

まず、レバー用の注射器とブレーキ用の注射器を組み立てます。
注射器の本体とホースがねじ式になっているので、回して本体にホースを取り付けます。

最初の写真がレバー用の注射器になります。
2枚目の写真がブレーキ本体用の注射器になります。

オイルの注入

レバー用の注射器には約3/4満たされるようにオイルを注入します。

3/4程度オイルを注入したらホース部分を上にし、オイル内に空気がなくなるように気泡を上部に集めます。ある程度集めることが出来たら、ホースの口にタオルをあて、プランジャーを押し込み上部に集めた空気を抜きます。この際一緒に多少のオイルも出てしまいますが、注射器内部のオイルは3/4程度は残っているようにしなくてはいけません。空気の取り除きが終わったら、ホース部上部のクランプを閉じ空気が入らないようにします。

ブレーキ用の注射器には、5㎜程度のオイル量を入れています。厳密なオイル量が決まっていないため、5㎜程度にしました。ブリーフィング自体は何度かやっていますが、この量で問題ありませんでした。


ブレーキ用の注射器もレバー用の注射器と同様にホース部分を上にし、オイル内に空気がなくなるように気泡を上部に集めます。ある程度集めることが出来たら、ホースの口にタオルをあて、プランジャーを押し込み上部に集めた空気を抜きます。この際一緒に多少のオイルも出てしまいますが、注射器内部のオイルは4mm程度は残っているようにすると良いと思います。空気の取り除きが終わったら、ホース部上部のクランプを閉じ空気が入らないようにします。

注射器の取付

注射器をブレーキとシフトレバーに取付けます。まず、シフトレバーの取付について説明します。
まず。シフトレバーのブラケットを剥きます。剥くと2つのネジ穴のパーツがあります。小さい方が、オイルタンクにつながっているネジで大きい方がレバーのひきしろを調整する用のネジになります。大きいネジが接触調節器、小さい方のネジがブリード・スクリューと言います。


大きい方のネジに、5㎜の六角レンチをはめ、反時計回りに止まるまで回します。

次に、ブリード・スクリューにT10トルクスレンチをはめ、反時計回りに回し、ブリード・スクリューを取り外します。この際に、ブリード・ポ ートからオイルが漏れる可能性があるため、タオルを手元に用意しておきましょう。

ブリード・ポ ートにレバー用の注射器をはめます。この際レバー用の注射器を右回りに回すとはまります。回らなくなるまでしっかりはめます。

次に、ブレーキ部に注射器を取り付けます。ブレーキのパッド固定用のネジについている外れ防止用の止めを取り外し、2.5mmの六角レンチでパッド固定用ネジを反時計回して取り外します。

パッドを取り外したら、ブロックをパッドを取り外した箇所にはめます。ブロックの形状は2ピースキャリパーか1ピースキャリパーかで異なります。2020年以降に販売されているforce etap axs用ブレーキ、red etap axs用ブレーキであれば2ピースキャリパーが採用されているはずなので、今回使っているブロックと同じブロックを使えば問題ありません。ただ、2019年初旬かそれ以前だとred etap axsですと1ピースキャリパーが使われているようです。

モノブロックをはめた後、ブレーキ本体のブリードポートのカバーを取り外します。ブリードポートに4㎜の六角レンチをはめ、1/4回転させ緩めます。その後、慎重に閉めなおします。ブリードポートにブレーキ本体用の注射器をカチッと音が鳴るまで差し込みます。注射器を完全に反時計回りに一回転させ、ブリードポートを緩めます。※2回転以上は絶対させないでください

次は、ブリーディングについて説明します。

ブリーディングの実施

まず、レバー側の注射器のクランプ、ブレーキ本体側のクランプを開けます。その後クランプを開けた後ブレーキ本体につけた注射器とレバーにつけた注射器共に地面と垂直に保ちます。人間の手は2本しかありませんのでブレーキ本体とレバーの注射器を両方垂直に保つのは難しいです。なので僕はブレーキ本体の注射器は紙テープでフレームに固定しました。ブリーディングの際触るのはレバー本体に取付けた注射器のみになります。

①レバー本体に取付けた注射器のブランジャーを下に押しオイルをホースに充填します。注射器のシリンジのオイルが空になる手前でブランジャーを止めます。空になるとホースにオイルが入ってしまい意味が無くなってしまいます。

レバーの注射器から出たオイルはホースを通りブレーキ本体に付いた注射器に充填されます。
②レバー本体に取付けた注射器のブランジャーを上に引っ張りブレーキ本体に付けた注射器からオイルをレバー本体に取付けた注射器にオイルを移します。この時はブレーキ本体に取付けた注射器が空にならないよう気を付けます。
①、②の手順をやった際に気泡がわずか少量出るくらいになるまで繰り返してホース内部の空気を取り除きます。

次に、ブレーキ本体に取付けた注射器を右に回転しなくなるまで回します。ブレーキ側の注射器にオイルが入らなくします。
次に、レーバブレードを握り離しを繰り返します。
レバーブレードの握り離しと同時にレバー本体に取付けた注射器のプランジャーを上に引き真空を作り空気を抜きます。
レバーブレードの握り離しと注射器のブランジャーを上に引く作業を気泡がわずか少量出るくらいになるまで繰り返します。

ここまで完了したら、注射器本体のブランジャーを下に下げ、オイルホース及びレバーのオイルタンクにオイルを充填します。この際、せっかく抜いた空気が入らないよう気を付けます。

レバー本体に付けた注射器のクランプを閉じ、注射器をレバーから取り除きます。
この際、注射器を取り付けていたネジ穴からオイルが漏れてくるため水とタオルで垂れてきたオイルをふき取ります。
取り外したねじにDot5.1用グリスを塗り小さい方のネジ穴にT10トルクスレンチで右回りにネジを回して取付けます。

ブレーキ本体に取付けた注射器を取り外します。この際に注射器を回転させないように気を付けてください。注射器を回転させるとブリードポートが緩みオイルが漏れる可能性があります。
注射器を取り外したらブリードポートに4㎜の六角レンチをはめてブリードポートを完全に閉じます。水をレバー本体とブレーキに吹きかけタオルで拭き上げます。ここまで終わればブリーディング作業はほぼ終わりです。
あとはモノブロックを取り外し、パッドの取付を行えば完了です。

コメント

  1. gousuke より:

    初めまして。今月からもりぞうさんと同じScottのaddictに乗り換えた者です。質問なのですが、自分はフロントのキャリパーのセンター出しが上手く行かず悩んでいます。キャリパーに擦らない様にある程度調整出来ても乗って帰ってくるとシャリシャリ軽く擦る音が聞こえるという事がここの所続いております…。直付けで尚且つ穴がボルトより大きく遊びがあるせいか、トルクを掛けて締めているとセンタリングツールを使っても動いてしまい上手く組み付け出来ません。何かコツとか有りましたらお教え頂けませんか?宜しくお願い致します。

    • もりぞう もりぞう より:

      コメントありがとうございます。僕自身プロショップの店員ではないということを前提に回答させて頂きます。Addict rcの遊びは長所だと考えています。あそこに遊びがあることによってブレーキ側の精度がまちまちでもフレーム側で対応できるようにしていると考えています。また、ボルトより大きいとのことですが、きちんとワッシャーははめていますか?ワッシャーがないと一点に掛かる力が強くなるのでフレームがだめになるリスクも高くなりますよ。
      走って帰ってくとするとのことですので、ブレーキ側のポジション調整はうまくいっていると思います。ローター側が歪んでいるのではないでしょうか。

      • gousuke より:

        返信有難う御座います。
        ワッシャーの方は付けております。確かに遊びがないと微調整出来ないですもんね…。
        ハンドル高を1番下まで下げて乗っているのですが、油圧ホースを一切切っていないのでその影響もあったりするのかな?とか素人ながら考えてました。
        ディスクローターの歪みには注目出来ていなかったので見てみようと思います。

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